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聖地珪楽で、蘢くんと再戦する玄武(緑鷹)です。
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――やはり、此の男は強い。
表情に出すこと無く、蘢は慄いていた。片頬に冷笑を浮かべて彼を見下し、重厚な斬撃で容赦無く命を奪おうとしてくる玄武は、将に猛将。大戦の折り、『西の猛禽』『女帝の鷹』と呼ばれていた頃の強さは未だ健在なのだろう。
――何故だ? 以前闘った時は、こんなに恐ろしくはなかったのに。
気を抜けば、剣を持つ手が震え出す。恐怖と威圧感を覚えると同時に、蘢には解せなかった。何故、随加の時と比べて此れ程違うのか。何故、今の玄武には此処までの余裕が有るのか。
――いけない、気を散じるな。
歯を噛み締めながら、なかなか勝機が見えず焦燥に駆られる。身体への負担は増していき、傷の痛みも伸し掛かってくる。
そして蘢は、何時しか防戦に追いやられていた。呼吸は乱れ、額には汗が流れて、気力と体力共に限界に近付きつつある。
――何とか活路を開かねば。だが、如何やって?
頭上から落とされた一撃を弾き返し、蘢は一度飛び下がって玄武と距離を取った。体勢を立て直して再び剣を構えた瞬間、玄武は剣を持ったまま右腕を前に出した。刃を地面と平行にして蘢の方へと突き付けると、剣の周りに神気の流れが出来始める。不審に思った蘢は、玄武が何らかの呪を唱え、神術を発動しようとしているのを察知した。
同時に、玄武の視線の先が己を捕らえていないことにも直ぐ、勘付く。鋭い鷹の眼は、蘢の立っている場所を越えた所へと向けられていたのだ。
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いや〜〜〜〜イケメンですな。やばいですわ。
本当は文庫上巻の挿絵だったのですが、私がありえない勘違いをしたせいで掲載し損ねてしまいました。
下巻に掲載予定です!いやもうかっこいいから主人公でいいy……
何度か書いてますが、緑鷹は登場するにつれて存在感を増していき、作者の思い入れも強くなったキャラでした。
2章書いているときは、船上で蘢にまけて死ぬ予定だったのですが生き延び、
この再戦シーン↑書いてる時もここで死なす予定が瑠璃たんに助けられ、
8章でついに、という展開になりました。
珠帝や瑠璃たん、紫暗の前ではわりとまともですが、一国の将のくせして海賊に扮し、
船を襲っては好き放題していた正真正銘の鬼畜野郎ではありますが、
その不良っぷりに女性たちがホイホイされるんですね〜
そういう危うさがばっちり表現されています。
緑鷹様が本編で退場した際はしばらく自分でロスになりました。
今後本編では出てきませんが、スピンオフなどで出せたらいいなと思ってます。
掲載箇所は下記のとおりです。
*小説家になろう「金色の螺旋第7章11話
*pixiv「豊代さや氏作品一覧」