雑記や創作状況など。
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【挿絵掲載】「金色の螺旋」第10章「守るべきもの」に挿絵がつきました

 

 

▼麗蘭が初めて珠帝(珠玉様)と対峙するシーンを描いてもらいました!

 

 

せっかくなので該当シーンの抜粋おば。

 

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「遠路、御苦労であった」
 の女が声を発した瞬間、麗蘭は感覚的に、探し求めていた妹ではないこと、其れでいて並々ならぬ因縁の有る人物であることを察した。
「貴女は……」
 思いも寄らぬ出会いを前に戸惑い問うてみたものの、其の時既に、麗蘭は確信めいたものを持っていた。
「茗の国主、せき珠玉」

気負い無く名乗った女は、振り返って麗蘭と正対する。
「待ちわびたぞ、神巫女」
 激しい意志と高貴さに裏打ちされた、畏怖の念を起こさせる声が響く。常人らしからぬ存在感は、彼女こそが人界中に名を知られる紅蓮の女傑であることを物語っていた。
――此の女が、珠玉。

 

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なろう版だと2話にわたる「守るべきもの」ですが、本当のほんとうに、作中トップレベルで気に入っている話です。

「若き巫女よ……王の座を継ぐ者よ。守りたいものが有るのなら、何かを差し出さねばならぬ。其れは人も王も同じこと――此の珠玉も、そなたの母もな」

というセリフが全編通しての珠玉様の決意を表していて、年若い麗蘭との格の違いを見せつけています。

 

このイラストの美しい見返り姿は、王たる者の重責を背負った唯一無二の存在である彼女をばっちり表現してくれていますな。

女帝にふさわしい装飾具も素晴らしいこと(/ω\)

いつもながらありがたやありがたやです(*ノωノ)

 

 

掲載箇所は下記のとおりです。

*小説家になろう「金色の螺旋」第十章13話

 

 

*pixiv「豊代さや氏作品一覧」

 

 

 

 

| 創作(聖安シリーズ)について | comments(0) |
近況報告&新作チラ見せ

更新できてないので参上しました(>_<)

いつも見に来てくださる方、ありがとうございます。

 

■「金色の螺旋」同人誌制作中

5/6文フリ出店を目指し、必死に推敲してます。印刷会社もほぼ決めて、あとは作るのみ。

告知サイトも作りました。→こちら

動画は古いのを埋め込んでますが、新作動画も準備中です。近々差し替えます。

なお、印刷数はごく少数の予定です。

どうしてもほしい!という菩薩の様な方がいらっしゃいましたら、ツイッターやweb拍手からご相談ください。

再版予定は今のところなしです。

 

■新作チラ見せ

前世編の一話(序章ではなく)の初稿を一部掲載します。

推敲前の下書きです。

現在9話執筆中。27,000程度。連載はまだまだ先です。

 

 

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 氷雪舞い降りて、銀の帯翻り、翻し。
 剣花散り消え、忽ちにして閃き走る。

 

  
 姫御前(ひめごぜ)と戦巫女が、剣を取り舞っていた。打っては跳ね返し、引き寄せては押し合う。其の清々しい様、見守る者を容易く魅了し、流るる風を止める。
 瑞々しき黒髪を結い上げ、真白い袴を穿いた姫宮は、氷花(ひょうか)。王族軍人として王師の少将を務める、音に聞こえた祥岐(しょうき)国の麗しの剣姫。
 焦がれ香の髪を高く纏め、常磐緑の袴を付けた巫女は、紗柄(さえ)。此の時代に降されし光の巫女、世にも美しき光龍の化身。
 仕合ではなく、稽古の類い。力比べではなく戯れの類い。千の妖異を斬り裂いて来たと云われる紗柄は、姫にとって臣下であり武の師であり、友でもある。
 此処は、氷姫(きよひめ)の小さな修練場。王宮・碧佳(へきか)宮の内部に、祥岐王が娘のために作らせた場所で、天井や床、柱は磨いた白石で拵えられている。
 踊る彼女らに見惚れるのは、親王の雪(ゆき)。祥岐王の三番目の王子であり、氷姫の弟にあたる。珍しい純白の髪に透ける白肌を持ち、勇ましい姉らとは対照的なか弱さを漂わせていた。
 何方からともなく舞うのを止め、互いに剣を下ろす。紗柄が石床に跪き頭を垂れると、姫御前は清爽なる笑みを零した。
「わたしは息一つ切れていない。手加減などしてくれるな、紗柄」
「剣の姫に、左様な無礼はいたしませぬ」
 実のところ、紗柄が主相手に手心を加えていたか否かは、剣術はからきしの雪には判らない。当の氷姫は諦め顔と為り、巫女に立ち上がるよう目配せした。
「偶には雪の相手もしてやっておくれ。紗柄が相手なら身が入ろう」
 雪は幾度も頷いた。主人に言われれば、紗柄も従わざるを得ないと思ったのだ。ところが紗柄は、彼を一瞥して難無く言ってのけた。
「王子の玉肌に傷でも付けてしまっては、王宮中の女に恨まれてしまいます」
「またそんなこと言って。面倒なだけなんでしょう」
 悔しげな雪の抗議など、紗柄は決して聞き入れない。人並みの護身術を身に付けるだけでも、彼はもはや、紗柄に縋るしか無いというのに。
 其処らの臣下に師事するには、雪は歳を重ね過ぎた。成人した十八の男子が、剣に触れたことすら無いなどと、王子でなくとも恥にしか為らない。
 情けないところまで来てしまったのも、元を辿れば生来の病弱さゆえに武術を習う機会を逸してしまった所為。紗柄が期待された役割をのらりくらりとかわし続けた所為である。
「そう言うな。第三王子が剣も振れぬとあれば、何かと体面が悪い。身を守ることも出来ぬではないか」
 姫御前に窘められようと、紗柄にとっては譲れぬ一事らしい。
「雪王子の御身は、私がお守りすれば良いことかと。私が怠慢に為らねば、ご自身で剣を取る機会など有りますまい」
 七年前、紗柄に親王を守る使命を渡したのは、他ならぬ氷姫である。こう返されてはぐうの音も出ない。
 姫と雪が妖に襲われ、妖気を追って来た紗柄に救われた。其の際命令というより乞うて雪の側に置いた経緯も有った。
 王女、氷姫とて人の子。天帝を尊崇する彼女には、天より降りた光龍を、無理やり従わせる気など起きなかった――たとえ紗柄本人が、己が巫女だと認めたがらずとも。
「時に、氷姫。聖安に妖が出ると聞き、討ちに参りたく暇をいただきたいのですが」
 姉の助け舟も虚しく、何時も通りさっさと話を摺り替えられてしまい、雪は落胆した。
「構わぬが、直ぐにか」
 姫にやや渋って訊き返され、紗柄が頷いた。
「何か、気掛かりがお有りなのですか」
「御史府に調べさせている。思い過ごしかもしれぬゆえ、改めて話そう」
 王族直下の監察方、御史府が出て来たがために、紗柄にも思い当たる節は有った。されど宮廷の内情には必要以上に立ち入らぬようにしているので、確信は無い。
 要らぬ心配を掛けさせたくないのか、氷姫は結局首を縦に振った。
「聖安の民が苦しんでいよう。早く行ってやりなさい」
 稀有なる徳心を授かりし彼の姫は、偉大なる天の恵みは人界凡てに注がれるべきと考えていた。光龍が祥岐に留まってくれているのを、身に余る幸運だと感謝していた。左様な姫宮だからこそ、紗柄も仕えるに値すると見定めたのだ。

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【挿絵掲載】「金色の螺旋」第2章「船上の対決」に挿絵がつきました

 

▼麗蘭が初めて緑鷹(玄武)と対峙するシーンを描いてもらいました!

随加の近海で、麗蘭たちの茗入りの妨げとなっている海賊たちと戦う場面。船上で海賊の首領・緑鷹とあいまみえるシーンです。

 

せっかくなので該当シーンの抜粋おば。

 

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 其のまま少し経つと、麗蘭の方目掛けて一本の矢が勢い良く飛んで来た。
 顔面を狙い真っ直ぐに向かい来る矢を、横に動いて避ける。射手は誰かと放たれた方向を見下ろすと、鋭い目で此方を見詰める、一人の男が立っていた。
 

――何だ? あれは。
 玄武は鉄弓を手に、櫓に居る者を仰いで凝視した。背から陽を浴びて立つ少女のだいだい色の髪が、きらきらと光って美しい。
――妙な気を放っているから来てみれば……あれは本当に、只の神人か?
 かつて戦場で、何人もの強い神人と会い見えてきた彼だったが、少女の纏うもの程大きく真っ白な気は見たことが無い。
 太陽が眩しくて、此の位置からでは顔が良く見えない。だが薄らとは分かる――あれが相当な美少女であると。

 

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たぶん作者だけだと思うんですが(笑)このシーン相当気に入っています。

逆光で緑鷹様には麗蘭の顔がよく見えてないにもかかわらず、「美少女だ」ということだけはしっかりわかってるという。

 

おそらく、読者の方はだれも気づいていないと思うのですが、

緑鷹の外見ってここにくるまで余り描き込んでいないんですね。ここに来て初めて少し細かく描いている。

私にとってはこの場面こそが、真の緑鷹様登場場面なんです。

 

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 背は六尺に近くがっしりとして、如何にも武人らしい体格の男。赤墨色の髪が風になびくと、左側の頬に大きな傷跡が見え隠れした。鋭利な双眸はまるで、ぎょし難い猛獣のよう。
 十年以上前の先の戦から指揮官として勇名を轟かせていると言うが、其の割には未だ若い。彼も蘢と同様少年の頃から天賦てんぷの才を開花させ、珠帝の夫である先帝の時代より重く用いられた逸材だった。

 

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聖安禁軍の軍服を着ている麗蘭も気に入ってます(>_<)大抵和服なので。

わーいわーい!!

 

 

掲載箇所は下記のとおりです。

*小説家になろう「金色の螺旋」第二章8話

 

 

*pixiv「豊代さや氏作品一覧」

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