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【各話解説(ネタバレ有)】「偽王の骸」第二十六話

■第二十六話「重なる運命」

http://ncode.syosetu.com/n2388dp/28/

 

ウルトラハイパー重要回です。

今回が、偽王最大の山場です。「金色の螺旋」の最大の見せ場は麗蘭の開光でしたが、本作の見せ場は麗蘭と魁斗がくっつくところ、でした。

ここまで長かった…今日の記事では、前作を書いていた時からずーっと言えなかったことを書いていきますね(一部はもう口滑らせてるかもしれませんが)。

 

●魁斗の役柄について

魁斗は十五年以上前からいるキャラですが、もともと創った目的が「麗蘭の恋人にするため」でした。髪が金髪なのも、(当時の自分が)絵的に麗蘭と並ばせて合うと思ったからですし、イケメンなのも高貴な身分(王子で半分神様)なのも強いのも、麗蘭と釣り合いを取らせるためです。

「金色の螺旋」で「麗蘭が魁斗と蘢のどっちとくっつくのだろう」「蘢とくっつかないかな」…と思ってくださった方がいらしたそうですが、私としては魁斗とくっつく以外の選択肢がありませんでした。すみません(/_;)

なお、小中学生のころ書いていたバージョンですと、魁斗が麗蘭に一目ぼれして、猛アタックを繰り返した結果、相思相愛になるという流れでしたが、そこは自然と変わっていきました。「金色の螺旋」「偽王の骸」では、どっちかというと麗蘭の方が先に惚れてたように見えましたよね? 作者としては、魁斗も結構初期から麗蘭のことは気にしてましたが、表には出してなかったというイメージです(というより、執筆の視点がほとんど麗蘭視点でしたしね)。

「金色の螺旋」で、四神の朱雀(紅燐)と魁斗は昔恋人同士だったという設定で出てきましたが、あれは比較的後から考えた設定です。別に恋人同士でなくても良かったのですが、なろう連載版の金色の2〜3章を執筆していた時に、魁斗と紅燐は何らかの因縁がある…という関係にしたくて、元恋人同士が一番手っ取り早いと思いそうしたのです(紅燐ファンの方ごめんなさい)。将来的には麗蘭とくっつけないといけないので、魁斗と紅燐の過去描写は最低限にとどめ、魁斗の方にももう未練はないという書き方をしています。結果としては、紅燐のキャラに深みが出ましたし、魁斗が黒神を憎む材料となったので、良かったと思いますけれども。

ちなみにもっと言うと、紅燐と魁斗を引き離すために(珠帝や青竜以外の)誰かの恣意が働いていたのですが、そこは超ネタバレになるので後にとっておきます…

それから、蘭麗の今後については…ごにょごにょごによ。

 

 

 

 

 

●麗蘭と魁斗は「運命の」恋人なのか?

真誠鏡で映像を見た魁斗は、母・薺明神が自分を産んだ理由は「薺明神の主君である天帝(聖龍)のために、麗蘭と組んで黒神を倒すため」と解釈しています。

ゆえに麗蘭との恋により運命的なものを感じ、恋愛関係に入るのに背中を押された形になっています。

…が、果たして魁斗のこの解釈は正しかったのでしょうか?という部分に謎が残るわけです…

このあたり、次の27話の冒頭ナレーション(というか地の文)と、本作の一番最後でラスボスがヒントを語っていると思いますので、気にしていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

●麗蘭と魁斗の恋愛関係について

麗蘭と魁斗の関係は、助け合い補い合い守り合う関係です。

「金色の螺旋」で圧倒的強さを見せた魁斗が、本作で弱弱しいのは、ここを強調するためです。あえて舞台を魁斗の故郷にし、彼の秘められた過去やら弱みやらを前面に打ち出しているのは、麗蘭が魁斗を助ける場面を増やしたかったからです。

つまり「偽王の骸」の舞台設定やらストーリーやらすべてが、この二人をくっつけるためのものだったということですね←

荐夕と戦わざるを得なくなったり、紅燐に裏切られたりして、麗蘭たちと会うまでは一人で行動していた魁斗が、麗蘭との心の触れ合いを経てようやく新たな恋愛関係に入る覚悟をしたのです。本作の前半で、みんなにだんだん打ち解けてきた様子を描いたのも、彼の心境変化を表すため。自分の弱いところを散々見ておきながら、それでも自分を好いてくれる麗蘭の愛情にもグッときたのかと。

麗蘭は守られるだけの女の子ではないですし、「共に戦う」ことこそが愛情の発露だと表現している通り、並び立つ関係を望んでいます。肩を並べ、同じ敵(黒神)に立ち向かっていける存在だからこそ、魁斗のことが好きになったのです。

魁斗の方が武力的には強いのですが、前作で金竜を封じるのは麗蘭でないとだめだったり、黒の気に侵された紅燐や樹莉を助けるのは麗蘭でないとだめだったり(あの場に麗蘭がいなかったため、紅燐はああいう状態になってしまいました)、巫女としての力を要する場面では麗蘭が必要になります。そして黒神を倒せる(殺せる)のも、神巫女である麗蘭のみなので、魁斗だけでは戦えないという設定にしています。二人で一つ、的な関係です。オスカル様とアンドレ的な。

蘭麗→魁斗、蘢→蘭麗の片思いや、樹莉→荐夕の歪愛と、対比的に描いているのも一つの狙いです。

…魁斗はことあるごとに麗蘭を守りたいと思っているようですがね。

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