◆第五章について語ります
(ネタバレ含みます)
書いてからだいぶ経ってしまったのですが、当時を振り返りつつまとめてみます。
≪魁斗の登場≫
これがメインです。
彼をいかにカッコ良く登場させるか、という点が、この章のテーマでした。
妖怪さんたちが暴れまわる惨状の中、颯爽と現れた彼は、まさに「天海の鵬翼」さながら…という感じにしたかったのですが、いかがでしたでしょうか。
≪綿密な舞台設定≫
舞台となる城塞都市白林は、かなり設定を細かく考えた街でした。
昨年夏に中国の西安に行って以来、国境の街は絶対に城塞都市にしようと思っていました。
最初の方、城壁の大きさなど細かく描写していますが、西安をモデルに決めています。
≪瑠璃の暴走≫
またしても……という。
彼女が虜にした男を剣の生贄にする、というシーンは、何かが降りて来たかのように突然思いついた流れでした。
ファンタジーらしい、邪気眼なセリフも満載でしたね。書いていてとても楽しかったです。
≪麗蘭と優花≫
優花はしばらく出てこないので、別れの前の大切なひと時……ということで、ここも力を入れたところでした。別れ際に優花が麗蘭に贈った言葉は、私自身が友達に言われたらうれしいだろうな……というものにしてみました。
環境の変化、立場の変化で、自分自身も変わっていかなければならないと焦っている麗蘭に対し、優しい優花がかけてくれた言葉は……この先きっと大きな支えとなってくれると思います。
≪崩れゆく蘭麗≫
黒神の戯れで、蘭麗が精神的に追い詰められていきます。
自分で書いたものを読んで、自分でかわいそうになってきました。
≪妖怪さんたち≫
さまざまな妖怪さんたちが出てきますね。
資料本を見てひっぱってきた妖怪さんもいれば、私が勝手に創作した妖怪さんもいます。
人々を食い殺すシーンは、書いていて疲れました……
こんなところでしょうか。
書くのに苦労した分、思い入れの深い章となりました。