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【各話解説(ネタバレ有)】「凍える夢」第二十三話〜第二十五話

【第二十三話「魔剣」】

炬と紗柄の戦いが始まりました。

神巫女でありながら、剣で戦う術を身につけられなかった霞乃江は、自分の剣を炬に持たせて戦わせています。

長年霞乃江が房中術で黒の力を移しているので、紗柄にも匹敵する神力を持っています。

 

炬は二十代前半くらいの青年で、霞乃江の従者です。

ご存知の通り、王や氷姫を殺したり、火澄を殺したりしています。そして、霞乃江がご褒美に抱かせてあげたり、自分が人恋しい時に抱かせたり、性奴隷的な存在でもあります。

全身黒ずくめのビジュアルは、炬が霞乃江の好みに合わせたんだと思います。けなげだなあ。

「魔剣」というイメージにも合いそうです。

 

初めて仮面が取れて、素顔が明らかになりますが、読者の皆様の期待を裏切らない超絶イケメンです。

魔族なので、彫りの深い欧米人顔です。イケメンなのになぜ頑なに顔を隠していたのかというと、またなぜ声が出ないかというと、次話で明かされます。

 

…それにしても、炬のようなイケメンのことを「わたしの奴隷だ」とか一度でいいから言ってみたいな…

霞乃江みたいな凄絶美女だからこそさまになるんだよなあ。。

 

【第二十四話〜二十五話「半身」】

作者がずっと書きたかった炬の過去編です。

 

炬はもともと、wi〇h B的なキャラを出したくて作ったキャラでした。

双子のイケメン兄弟で片方は死んでいる、という設定はすぐに決まりました。片方が霞乃江に惑わされて頭がおかしくなり、片方がたまらず殺してしまう…それで、声が出なくなる、みたいな流れもすぐ決まりました。

お気づきの方がいらっしゃるかわかりませんが、「序章 白雪幽夢」の語りはこの炬視点で書いています。

ただ、明確に炬だけ、というわけでもなく、紗柄と雪にも当てはまる感じでもあります。

 

本文中にある通り、彼らは魔族の王子です。「偽王の骸」を読んでくださった方はすぐにピンときたでしょう。あの残酷極まりない魔王選び大会の犠牲者なのです。髪の色が「黄昏色」でわかるように、樹莉や荐夕、豹貴の祖先です。とくに荐夕の父・染王

(樹莉たちの祖父)も黄昏色の髪でしたので、やっぱり繋がっています。

 

炬自身は王になれる素質があったのですが、弟の晄は精神薄弱で、まず試練で生き残れない…ということで、炬は王位を捨てて弟と逃げだします。

弟のために全てを捨ててからも、いろいろ苦労する炬。高貴な身分だったのに、盗みをやったり殺しをしたり、落ちるところまで落ちます。そうこうするうちに晄はおかしくなり、どうしようもなくなってたところに、霞乃江に会います。

 

霞乃江に拾われ、一緒に暮らし始めますが、歳頃の少年には酷い環境でした。

まず、晟凱以外の男が屋敷にほぼいません。晟凱は霞乃江の父親と聞いているのに、朝から晩まで人前で娘と盛っています。炬は真面目なので、自分と晄の生活を守るために、煩悩を抑えるのに必死です。すぐそばに霞乃江みたいな美少女がいたら、たまらなかったでしょう。

 

ところが、その晄と霞乃江は、とっくに身体の関係になっていました。晄はここに来るまで女性経験もなかったのに、霞乃江を手に入れて調子にのってしまったんですな。※ちなみに炬は魔界で経験済なイメージ。初回で霞乃江失神させてるし……

 

霞乃江が晄を選んだなら、晟凱とするよりはマシかな…と我慢していた炬ですが、晄の自慢話と変貌っぷりに耐えられなくなります。

 

ある夜、真っ最中に晄を殺し、霞乃江を奪います。霞乃江は計画通り!とばかりにそのまま炬といたしています。

炬がコトを終えて冷静になってみると、自分のしたことが恐ろしくなって発狂し、喉をつぶして顔を切り刻もうとします。

理由はこのあたり。

・自分と同じ声と顔の晄を殺したことを思い出すから。

・他人に晄と同じ顔を見られたくないから(晄が存在していたことを意識させたくないから)。

・霞乃江を抱いているとき、晄と霞乃江がしている光景を思い出してしまうから。

 

そこを霞乃江が止めて、炬は本当の意味で霞乃江の奴隷になったのです。

 

全ては霞乃江の策略で、晄を誘って炬と仲違いさせたのも霞乃江。最初から精神的にも肉体的にも強い炬を狙っていた。作者はそのつもりで書きました。

でも、違う見方もできると思います。本当は霞乃江が晄を誘ったのではなく、最初は晄に無理やりされたのかもしれませんよね。そこはご想像にお任せします…

 

大切なのは、なぜ炬が晄を殺したのか。

・晄が霞乃江との情事に夢中で別人になってしまって、取り戻すには殺すしかなかった。

・尽くしてきたのに、恩知らずの晄が許せなくなった。

・霞乃江を抱きたかったので、晄が邪魔になった。

・霞乃江が他の男とむやみやたらに寝ないように、自分が専属奴隷になるため。

 

いろいろありますが、正解は4つ目と1つ目。

霞乃江は3つ目だと思っています。自分は炬に心から愛されないと思い込んでいるから。

でも真実は、本文最後にある通りです。炬は霞乃江を心から愛していたんです。

 

霞乃江の二面性(天女の顔と娼婦の顔)に気づき、娼婦の顔は自分を守るためのものだと知っていた。

本当は愛している人(黒神)がいると知ってしまった。

そんな霞乃江を守りたい想いを胸に秘めて、霞乃江にも伝えられず(霞乃江には好きな人がいるから声が出せても伝えられない)、歪んだ関係のままでいるのです。

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