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【第七話「妖狩」・第八話「悪戯」・第九話「雪解」】
・紗柄の子供時代のお話
光龍という、輝ける存在として生まれた紗柄ですが、生まれた家が悪かった。神人ばかりの集落だったせいで、畏怖されると同時に嫉妬の対象となったのです。
また、稀にみる傑物であった麗蘭の母・恵帝や師・風友とは違い、紗柄を育てたのは凡人の両親。両親も優れた討伐士で、戦いの面においては紗柄も英才教育を施されてめちゃくちゃ強くなれたのですが、精神面で鍛えられることがなかった。
両親は紗柄が特異な存在であるがゆえに、親として接せられなかった。紗柄は兄弟たちとの扱いの違いに苦しみ、常に寂しがっていたのですが、完璧さを求められてそんな感情を表に出せずにいたのです。
そうした点で、なんだかんだで恵まれた麗蘭との違いを意識して書きました。
・妖王との出会いと罠
紗柄は初めて会った時から、彼を敵として認識していたわけですが。寂寥と劣等感につけこまれて気を許してしまいます。
彼の言う通りに「天陽」を手にしてしまったがために、この後恐ろしい悲劇に巻き込まれてしまいます。
演出上、紗柄の回想は神剣を取ったところで止まっています。その直ぐ後が一番ひどい記憶なのですが、何が起きたのかは「金色の螺旋」をお読みいただいた方はご存知でしょう。紗柄は自分の両親兄弟を殺して「開光」し、妖王に「人鬼」と呼ばれる人間の敵になってしまうのです。
この事件の真相は、少し後に書いていますので、もうしばしお待ちくださいまし。
・雪と氷姫との出会い
「人鬼」になって、身を守るために人を殺しながら転々としていた時期。紗柄にも運命の出会いがあります。
わずかな時間で氷姫の高潔さと雪の純粋さに魅了され、誰とも交われなかった頑なさを解いたのです。
何度も言いますが、氷姫、麗蘭っぽくないですか?麗蘭がああいう性格なのは、前世で氷姫を心底尊敬していたから……というのもあるかもですね。
とにもかくにも、紗柄はこうして姉弟に救われたのです。