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緑鷹様が珠玉様に斬って捨ててもらおうと首を差し出している場面の挿絵を描いてもらいました!
紫暗と蘭麗の初対面と並ぶ渾身のシーンです。
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「……お決めになりましたか」
口の端を歪めた緑鷹の声は、心なしか喜んでいるように聴こえた。腰を落として片膝を付き、珠帝の前に無防備な姿勢で跪いた。
彼を見下ろす珠帝の瞳には、彼女らしい輝光が宿っていない。心の内に座する、王の声を聴き入れ意を決し、『人の心』を殺しているのだろうか。
「……今此処で、妾自ら。おまえの崇高な眼差しを、他の者に晒したくはない」
正式な場で叛逆の罪に問えば、珠帝は傷一つ負っていないとはいえ、緑鷹の死罪は免れぬ。公衆の面前で、見せしめの如き処刑が待っているのである。
「茗の英雄であるおまえには……せめて、妾の剣を」
「……陛下、光栄でございます」
緑鷹は笑って、首を垂れる。命を差し出しているというのに、彼の身体は微塵も震えず、卑しさの欠片も無い。
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この頃の緑鷹様は、美しい死に場所を求めていました。
蘢くんとの再戦でも、死んでも良いと思っていたのに死にませんでしたので、
いよいよ主君のもとに戻り主君に処断してもらおうとしたのです。
珠玉様もそれを見抜き、一時は応じようとしましたが、剣を振り落としながらもやはり殺せず、
横から出てきた瑠璃が代わりに…という流れです。
本人も言ってますが、珠玉様はこのとき精神的に結構疲弊しており、緑鷹様を失うのが怖かったのですね。きっと。
失った後も、臣下に弱音を吐いてしまうほど疲れてしまいますし。
緑鷹の望みを叶えたのは、珠玉ではなく瑠璃でした。瑠璃は黒神に「珠玉から緑鷹を奪え」とだけ命じられていましたが、
うっかり身体の関係以上の深い関係になってしまい、なかなか実行できずにいました。
蘢くんとの再戦を見ていて、緑鷹が死に場所を求めていると気付かなければ、殺せなかったでしょう。
黒神以外の男にそれだけ情を持ってしまったことに怖くなり、八章最終話の「暗淵の救済」で黒神に救いを求めるのです。
当時の私的に、緑鷹様、珠玉様、瑠璃、黒神のいろんな想いを入れ込みたくて頑張っていた八章後半です。
今回の挿絵はひざまずく緑鷹様の後ろ姿がイケメンすぎて沸騰しました。
らしくもなく迷っている珠玉様のお顔も素敵です(。・ω・。)
掲載箇所は下記のとおりです。
*小説家になろう「金色の螺旋第八章11話
*pixiv「豊代さや氏作品一覧」