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◇挿絵掲載◇「金色の螺旋」挿絵追加しました

 

 

 

蘭麗が初めて紫暗の顔を見るシーンの挿絵を描いてもらいました!

長いのですが、抜粋します。

私的に、そこそこうまく書けたかなあと、未だに思っている部分です。

 

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 彼が紫暗であることは、纏う神気からも明らかだ。また、周囲に誰も居ない此の状況が、聖安の剣士を一撃で殺したのが彼であると物語っている。
 初めて目にする紫暗の容姿は、蘭麗が想像していたよりもずっと若く中性的なもの。真っ直ぐな髪と同じ藤色の双眸は、研磨けんました氷刃ひょうじんの如く鋭利で冷え冷えとしている。
「貴方はこうやって……私を助けようとする人たちを……」
 何の根拠も無いままに、紫暗は優しい男だと信じていた甘さに気付く。強い神人であるとは知っていたが、穏やかな声調で美しい物語を紡ぐ彼からは、人を惨殺する様など浮かびようもなかった。
 蘭麗は鬼でも見たように脅え、立ち竦む。紫暗に害されることはないと分かっていても、感情のない無機質な瞳で見詰められると、逃げ出したくてたまらなく為る。
 せめて一言、弁明の言葉でも掛けてくれれば良いものを、紫暗は何も言おうとしない。動けぬ蘭麗から暫し目を逸らさずにいたが、やがて彼女に背を向けた。
「到着が遅れ、見るにえぬものをお見せして申し訳ございません」
 紫暗らしい、抑揚の無い声だった。何時いつもと変わりない調子なのに、此れまでの彼とはまるで別人に見える。
「……答えて。貴方は、此の塔に来た人々をどれだけ殺めてきたの?」
 恐怖に耐えつつ気丈に尋ねた蘭麗に、紫暗は浅く溜息を吐いた。
「其れを訊いて、何に為ると仰る」
「知りたいの。私の罪の重さを」
 背後から姫の強い視線を感じたが、紫暗は問い掛けには答えなかった。少しして後ろを振り返り首を垂れると、右腕を広げ扉の方を指し示す。
「どうぞ、別室にお移りください。此れ以上、斯様な所に居ていただく訳には参りません」
 蘭麗は動かぬまま紫暗を見据えていたが、程無くして彼の指示に従い室を後にする。三波石さんばせきの螺旋階段に出るなり、恐るべき惨状を目にして、彼女は今度こそ悲鳴を上げた。
 青白い石段が血の海に沈み、転がった死体もまた、紅血こうけつに浸されている。死人の中には塔の兵たちも居れば、先程紫暗に殺された聖安人の仲間とおぼしき剣士たちも居た。
 戦慄して震えが止まらず、其の場にへたり込みそうに為るのに何とか耐える。手で口を覆い、押し上がって来る吐き気も懸命に堪え、やっとのことで声を絞り出した。
「紫暗、此れは……」
 恐る恐る尋ねると、彼は眉一つ動かさず即座に答える。
「貴女の罪です。蘭麗姫」

 

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「知りたいの。私の罪の重さを」〜「貴女の罪です。蘭麗姫」までのくだりがとても気に入っています(>_<)

 

ここの場面の紫暗の心理状態はこんな感じです。

「塔に侵入者!?ありえん!皆殺す!!」

「よかった間に合った、月白姫(蘭麗)は無事だ…」

蘭麗と対峙

「なんだこのかわいさは…!!?やばい、やばいって。全力で無表情!!!」←ココ

 

子供の頃の蘭麗は見ていましたが、一度きりでしたし、その間成長した彼女の美しさを妄想しており、

予想以上に美少女で頭がパーンとなったけど、何とかポーカーフェイスで乗り切った感じです。

蘭麗に死体の山を見せて「貴女の罪です」とかひどいことを言ってますが、ひとえに彼女を手放したくないがため。

執着心のなせる技です。

 

ちなみに紫暗は見た目が若いですが、実年齢は37歳です。緑鷹様と同い年。

氷刃のような男の表情を、豊代氏がみごとに表現してくれました(>_<)

 

 

 

掲載箇所は下記のとおりです。

*小説家になろう「金色の螺旋第十章8話

 

 

*pixiv「豊代さや氏作品一覧」

 

 

 

 

 

 

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