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【各話解説(ネタバレ有)】「偽王の骸」第二十一話

■第二十一話「妄執」

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ー莉と瑠璃、⇔鑞と謎の鳩、という2パターンに分かれていますが、書きたかったのは樹莉が病んだ経緯です。

 

まずは前半から。

解説するまでもなく、作中で語られているのですが、

樹莉は信頼しきっていた兄に裏切られて男女の関係になってしまい、ショックの余り頭がおかしくなってしまいます←これがベース。

根が真面目な樹莉は、「兄妹なのにこんな関係になっていいはずがない」→「兄妹じゃなくて恋人同士だからokなんだ」と強引に発想の転換を行います。

その後すぐに死別してしまい、寂しさの余り人肌を求めて性的にだらしなくなるのですが、王女なので誰にも咎められません。ものすごい美少女なので、誘惑にのった男性の方が罪悪感を抱いてしまうこともままあったそうな。

トラウマ的な初体験を迎えてしまうと男性恐怖症になってしまうケースがあると思いますが、樹莉の場合はその逆だったようですね。そういうのをイメージしていました。

基本はそういう感じですが、作中ではもっと病的なもの、色情症とか依存症とかを想起させる描写をしています。してもしてもし足りないとか、会話しててもそういう方向にばかり持っていきたがるとか(二十話参照)。本当はもっと露骨な表現をしたかったのですが、このシリーズで許されるであろうぎりぎりのところにとどめたつもりです。いつか別の作品で、えげつないのを描いてみたいです。

そして、樹莉がここまで重症化したのには真因があります。その真因については、この後の話に出てきますので、ここでは伏せておきますね。

…瑠璃が出てきた時点で気付いた方もいらっしゃるかと思いますが(笑)

なお、かつて樹莉が荐夕に抱いていた気持ちについては、この後の話でも回想などに織り込んでいます。

今後のポイントとしては、荐夕はなぜ樹莉に愛を偽ったのか、です。

 

瑠璃とからませたのは、上述した「真因」への伏線でもあり、

瑠璃自身の今後の物語にかかわる伏線でもあります。

12話の燈雅くんとのやり取りでもわかるように、瑠璃は想い人に振り向いてもらえず飢えているのです。

だからこそ、樹莉が飢えている原因もわかるわけで。瑠璃が樹莉に投げかけている言葉は、すべて自分に向けて言っているようなものです。

このあたりの台詞なんか正にそう。二つ目のなんて、金色の螺旋10章34話で珠帝に言われた言葉と通じるものがありますね。

 

「如何に激しく、如何に深く身体を繋げて肉の欲を満たしたとしても、其れだけで飢えは消えない。飢えて苦しいのは、おまえの想い人が真におまえを愛していないと気付いているからだ」

「おまえは恋人に乞われて母親を殺し、明日には異母兄まで殺そうとしている。だが知っているはずだ。彼の願いを全て叶えたとして、おまえが愛されることは無いであろう――可哀想に」

 

 

瑠璃が樹莉に飢餓状態を脱するヒントを与え、この後樹莉がある行動を取るのですが、

それがむちゃくちゃ重要な行動になります。

 

さて、後半パートについてです。

謎の鳩が出てきますが、「水浅葱色の鳩」でどの鳩か分かった方はすごいです。金色の螺旋からじっくり読んでくださっている方ですね。本当にありがとうございます。

鳩に乗り移って麗蘭を助けたのが誰なのかは、もう少し後で明かされます。

 

樹莉の受難について麗蘭が知る場面、こうみえて結構悩みつつ書きました。

純粋培養されて育った麗蘭にとって、近親相姦とか強姦とか、その手の話題ってタブーだと思うのですよ。

でもまあ、魁斗に惚れて少女から女性への転換期に来ているわけですので、多少は良いかなあと思って割り切りました。

真実を知らないと、この後樹莉を救えないですし。

全て知ったうえで「真因」に触れた時に、真の黒幕への嫌悪を広げるのです。

 

ここでの麗蘭に関するポイントは、堕ちに堕ちた樹莉を見捨てずに救おうとしている姿勢、です。

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