五日物語 3つの王国と3人の女(2015)
(Il racconto dei racconti)
★★★★☆
劇場に観に行きました。
とにかく映像が美しい!風景も出演者も衣装も、上演時間中目の保養でした。
夫に愛されてたのに、子を望むあまりその夫を犠牲にして子を産んだ女
若さと美貌を望み、妹を捨ててまでつかみ取った老女
おとぎ話のような美しい伴侶を夢見ながら、鬼に嫁がされてしまった少女
女の性をテーマにした作品ということで、現代の自分たちにも刺さる内容でした。
救いのきざしが見えたかと思えばことごとく絶望に突き落とされる展開、たまらないですね。
印象に残ったシーンはネタバレになりますので、「続き」から書きますね。
良かったと思ったのは、鬼に嫁いだ王女が曲芸師の一家に救われ、脱出できたかと思った矢先に鬼に襲われるところからです。
優しい一家があっという間に皆殺しにされ、王女は再び鬼に捕らえられます。
そこでしばらく、王女が鬼に心を許したかと思われるのですが、次の瞬間王女が鬼の首を掻き切ります。
私はてっきり、「王女が鬼のやさしさに気付いて愛を受け入れる」とかそういう展開に行くと思ってたのですが、見事に裏切られておおお!と叫びたくなりましたね。
城へ帰還した返り血まみれの王女が、まるで世の中の全てを悟ってきたかのような荒んだ目で、自分を怪物に渡した父を見下している場面が、本当に印象に残りました。
序盤の夢見る王女と同一人物とは思えませんでしたね。
その他にも好みな展開、場面がいろいろありましたが、全体的には★4つといったところ。
不妊だった女王が王子を溺愛するあまり自ら化け物になり死んでしまう展開がややわかりにくく、もったいないなと思いました。
あとはもう少しエロとグロが欲しかったです。。PG12だから仕方ないか。。